体外受精にステップアップして初めての採卵が局所麻酔だった場合、一番の心配は〔どれくらい痛いんだろう?〕ということですよね。
私は1人目・2人目の通算で12回も採卵をしているんですが、
そのうちの10回はスプレータイプの局所麻酔です。(残りは静脈麻酔1回・無麻酔1回)
私は卵子の質がすっごく悪いので採卵してもなかなか移植まで辿り着けず、こんな回数になってるんですけどね〜。(大体10個に1個くらいしか受精卵にすらならないよ!)

今回は採卵の流れや痛みについてと、私が実践している痛み軽減の方法をお伝えしていきます!
採卵の流れと所要時間
個人差や病院のやり方によって大きく変わりますので、どこでも同じではないことはご了承ください。あくまでも参考程度にお願いします!
私が行った病院は、
- 全員スプレータイプの麻酔薬を使用 (静脈麻酔は対応してない)
- 先生は1人
- 診察開始時間は10時
という条件です。
8:30 受付
その日に採卵とAIHをする人の数によって前後しますが、大体これくらい。2日前に電話で知らされます。
受付で保険証や精子を提出してから、トイレを済ませて血圧を測ります。
8:45 内診室
内診台で排卵が始まっていないか確認。
大丈夫ならそのままお湯で洗浄して、麻酔薬が入ります。
麻酔は虫よけスプレーをかけているようなシュシュシュという音がして、徐々に中からジワーっと熱くなってくるような、ちょっとしみるような感覚があります。(アルコールで目の近くを触ってしまった時みたいな感じに近いかな)
※ここまでは痛みは無いです。
しばらく待機
その日の採卵の人が順番に同じことをしていくので、全員終わるまで待ちます。
待ちが長い時はだんだん下半身全体が重だるくジンジンして、「麻酔が効いてるな」と実感できました。
逆に採卵が自分1人だけの日だと、すぐ次に進んでいくので麻酔の効きが弱いような気がして、ちょっと緊張度が上がります。
9:00 採卵室
採卵室に入る時は、靴を履き替えて帽子(ネットみたいなやつ)をかぶるだけ。
私服のままなので、手術着に着替えたりは無かったです。
いつもの内診台と同じような椅子に座りますが、カーテンなどが無い状態でスタッフは5〜6人居るので何となく落ち着きません。
私のところはお腹にタオルをかけてもらえるので恥ずかしさはそこまで無いんですが、何も無かった病院もあります。
タオル無しの病院だと、大勢の前で丸出し状態になるので心の中では「ギャーッ!!!」ってなるんですけどね。笑
準備が整ったらいよいよ採卵…!
(採卵について詳しくは下に書きます)
9:10 休憩
採卵は準備などを含めても1人5~10分くらい。
安静時間などは特になく、終わったらすぐ自分で歩いて待合室に戻り、しばらく座って休みます。
貧血を起こしていたり、どうしても痛みが辛い人はベッドで長めに休ませてもらえます。
9:40 内診・診察
内診台で、出血が無いかの確認。
そのあと先生から今日の卵の状態や今後のことについて説明があり、新鮮胚移植を希望の人はそのままhcgを打ちます。
(成熟卵が得られなかった時は、もう話すことがないので終わるのも早いです…)
10:20 会計
受付から会計までが大体2時間弱で、体調に問題なければそのまま仕事にも行くのもOK。
当日の禁止事項は、自分で運転すること・入浴(シャワーは可)・激しい運動くらいなので、午後からはほぼ普段と変わらない生活が出来ます。

静脈麻酔だと安静時間だけで2~3時間は取られるので、比べるとかなり早いですよね!
採卵の痛みはどんな種類?
採卵は超音波の機械の先から針が出て、子宮の壁から卵巣に向かって針を刺します。
なので1回につき2回、針が通るんですね。
私は頭の中で「プツンプツン」と音が聞こえます。(怖い)
と言っても針はかなり細いものなので、痛みの種類としては注射や採血の時と似ていて「痛いは痛いけどまぁ我慢は出来る」という程度です。
ちょっと下手な人に当たった時の採血みたいな感じですかね。
そこで卵子を発見したら注射器のようなもので吸い取るんですが、その間は針の動きが止まるので痛みは無し。
ただ位置が悪くて卵がなかなか見つからない時なんかは、針を刺したままグリグリ動かすのでけっこう痛いです。(シンプルにイメージした通りの痛み)
下手したらそこで刺し直しになることも…。
無事に卵子を回収したら終了ですが、刺した針を抜くのがまた地味に痛いんですよ。
刺した針がもう一度同じところを通るだけなんですが、何が違うのか個人的には刺すより抜く方が苦手で、いつも眉間にシワを寄せて「ウ”っっ」となります。
右と左にそれぞれ卵胞がある場合ももちろん改めて刺すので、卵子を全て回収するまでこれを繰り返すことになります。
ちなみに私は今まで最高で卵2個取るのに4回刺されたことがありますが、3回目くらいから冷や汗が出てきて、もう心の中は暴言パラダイスでした。笑
とはいえ全体を通して痛みの種類としてはやっぱり「ちょっと痛い採血」くらいのイメージなので、そこまで身構えなくても大丈夫。
安心して下さい。

痛かったなぁと思いながら普通に歩ける程度です!
終わった後の痛みは軽い生理痛と同じ感じで、翌日まで続くことは少ないです。
運が悪いと激痛のこともある
そこまで痛くないから大丈夫と言ったばかりでごめんなさい。
実は過去に2回、とんでもない激痛だった時があったんです。
1回は、針の当たり所が悪かった時。
子宮に痛点というものがあるのか(?)何なのか、そういう所に当たってしまった事がありました。
刺した瞬間からじわっと出血があったらしいので、そのせいかもわかりませんが…
針を刺してから抜くまで、ずっと飛び上がりそうなくらい痛かったんです。
動くと危ないので手をソワソワさせながら何とか耐えたんですが、終わった後も異常に痛い。
待ち時間に座っているのも厳しいし、診察室まで歩くのもやっとの状態で、看護師さんに「え、どうした?」と驚かれる始末。
診察後に1時間ほど横になってから帰ることになりました。
と言っても痛み止めを飲んで安静にしていれば問題なく治ったんですけどね。
もう1回は、質の悪い先生に当たった時。
というのは言い方が失礼すぎるんですが、正直ひどい先生は実際に居ます。
その時は、事前の説明では静脈麻酔でと聞いていたのに、理由をつけて当日いきなり無麻酔に変えられ、わけのわからないまま終始地獄のような激痛。
種類としては、詰まり有りの卵管造影とか、何回も点滴失敗してザクザクやられてる時とかの痛みと近かったかな。(共感しにくい例えですみません)
これは本当に我慢できる感じじゃなくて、
ちょ…いや痛い痛い!痛い!!!
とけっこう文句を言い続けてしまいました。
特に普段は静脈麻酔を基本にしている病院だと、太い針を使っていたり、そもそも患者の痛みを軽減させようという気も無い傾向があるんじゃないかなと思います。(あくまで個人的な意見)
私の友人も別の病院で似たような目にあったと聞いたので、よくあることなのかなぁ。勘弁してくれって話ですけどね。
患者の負担を考えない先生、麻酔なしに慣れていない先生のところは危険(かも)。
でも基本的には本当に、心配するほどの強い痛みではないはずです!
あとはもう運次第。
どうしても痛みが心配な場合は、卵が少なくても確実に静脈麻酔でやってもらえる病院を選ぶのもいいと思います。

ここからは私流の、痛みを抑える方法を紹介します!
痛み軽減のコツ
痛み止めを飲んでから行く
朝食~出発の間にカロナールやロキソニンを飲み、1時間後くらい(薬が1番効いている時間)に採卵時間が当たるようにしています。
実際に効果があるかは比べにくいですが、お守り的な存在にはなります。
※病院でもよく使われている方法ですが、他の薬が出ている場合などは必ず先生に確認して下さいね!
あえての寝不足
緊張を緩和するのに1番良いと思ったのは、あえての寝不足で行くこと。
ふざけてんのか?と思われたらごめんなさい。笑 でも、
もうすぐ採卵かぁ…いやもうどうでもいいから今すぐ寝たい
ってくらいの眠気があると、頭がボーッとして意外と緊張しなかったりするんですよ。
採卵のネガティブな情報を調べまくって夜更かしするのは、ストレスになるだけなのでやめましょうね。

好きなドラマでも見て楽しく過ごして、心配事は一旦忘れましょう!
呼吸を合わせる
採卵が始まったら、ゆっくり深呼吸しましょう。
超音波で卵を探し、その動きが止まり、先生が針を持つまでは痛いことは起きません。
なるべくリラックスして様子を伺います。
いざ針を刺すときは、(心のある先生なら)「刺します」って声かけが絶対あるはず。
そのタイミングで、ぐっと息を止めます。
患者側にモニターがある場合は、卵子を吸い取る様子が見えると思うので、その間もなるべくリラックスして深呼吸。
終わったら針を抜く瞬間に、またぐっと息を止めます。
針を刺す時はどうせ緊張で体が固まるので、タイミングを合わせてその一瞬だけ集中しようという作戦です。
初めての時はいつ痛いのかがわからずにずっとガチガチに固まってしまいますが、流れを知っていれば息の抜きどころがわかってきますよ。
別の場所を刺激
注射を怖がる子供みたいな方法になるんですが、
手の甲や腕を爪で押すなどして別の場所を痛くするというのもなかなか有効。
意識が分散して少しは気が紛れます。
暖かい服で行く
採卵室は無機質で寒いことが多いです。
体が冷えるとリラックスも難しいので、ちょっと暖かめの服装で行きましょう。
特に下は何もない状態になるので、長めの靴下を履いておくのがおすすめですよ。

ニーハイソックスにすれば膝まで隠れるので、あんまり人に見せたくない部分がカバーできてなお良しです。
ちょっと眠たくて体が暖かい状態で内診台に乗って、
「あ〜気持ちいい〜ちょっと寝ちゃいそう〜」
なんて思っちゃうくらい、リラックスして臨めたら最高ですね。